パシュミナとヤクのお話 4: パシュミナの原料と産地。

 

Nature and Creation のパシュミナのお話のつづきです。少し、製品についての説明をしたいと思います。

パシュミナは、チャングラという山羊の毛から作られています。(Mountain Goat, ネパール名 Chyangra)この山羊は、アンナプルナ、エベレストなどのヒマラヤの山々の4000m以上の高地に生息しています。富士山よりも高いところです。厳しい寒さから身を守るためにしっかりとした毛で覆われています。外毛は髪の毛のようなしっかりとした毛がビッチリと生えていますが、さらに内側には柔らかく分厚いうぶ毛が存在します。パシュミナは、そのうぶ毛部分(inner hair=fur)だけを使います。

 

冬が終わり分厚い毛が入らなくなる春に抜けてくるうぶ毛を、一年に一度だけ櫛で梳いて採取します。採取する場所は、Mustang, Manang , Dolpa を中心にした地域です。一年に一度だけ、山羊が住む高地に行って取らなければならないわけですから、原料自体が非常に希少価値が高いものなのです。

 

毛が入荷した時の状態は、うぶ毛だけの状態で来るわけではありません。外毛が混ざり合っています。そのため、うぶ毛だけの状態に完全に分ける必要があります。まず最初は手で、その後は簡単な毛を選別する機械にかけます。現在その機械は、ベシュさん他数名の有志で購入したものがネパールに一台あるだけです。そしてやっと出来上がるのが、ふわふわの綿のような状態のうぶ毛です。(写真2枚目。左が混ざった状態。)

 

パシュミナの繊維について少し触れておきます。総称では毛と呼ばれる製品の中では、カシミアが有名ですが、その定義にあてはまる繊維の細さは15〜20ミクロンです。それ以上がメリノウールで20〜24ミクロンとなります。パシュミナの繊維はカシミアよりもさらに細く、10〜15ミクロンなのです。極寒の地に生息するチャングラ山羊特有のものだと言えます。非常に柔らかく、温かいパシュミナは、他のウールとは一線を画するものだと言うことをデータが証明してくれます。     つづく。